共済の注意点と落とし穴

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写真:みずいろめがね(Photo AC)

共済は低価格で保障を受けられることから多くの人に利用されています。特に「割り戻し」という仕組みが魅力的に映り、加入を決める方も少なくありません。しかし、共済には注意すべき点がいくつかあります。特に、必要な保障をしっかりと考えずに加入することは後々の不安や困難につながる可能性があります。

1. 割戻金の仕組み

共済保険の最大の特徴は、加入者の掛金(保険では保険料と言いますが、共済では掛金と言います)の一部が「割戻金」として還元される点です。これは、共済の運営が順調であれば、加入者に対して掛金の一部が返金される仕組みです。しかし、割戻金があるからといって、保障内容が充実しているとは限りません。割戻金を期待するあまり、必要な保障を軽視してしまうことが多いのです。

2. 保障内容の確認

共済保険に加入する際は、まず自分に必要な保障内容をしっかりと確認することが重要です。例えば、医療保障や死亡保障・入院日額など、自分のライフスタイルや家族構成に応じた保障が必要です。割り戻しの魅力に惑わされず、保障内容が自分のニーズに合っているかを見極めましょう。

3. 保険料だけでの比較の危険性

同じ保障なら安いに越したことはありませんが、単に保険料だけで比較して選択すると、たいていは保障不足に陥ることが多いです。安易に安さで決めると結局は自分や家族が困ることになったり、損をすることになります。保険は本来、万が一の事態に備えるためのものですから、保障内容が不十分であればその役割を果たせません。特に、三大疾病の医療費や介護費用、遺族の生活費など予想外の出費が発生した際に、十分な保障がないと大きな負担となります。

4. 給付の性質

共済は、組合員であればほぼ誰でも加入できるため加入時の健康状態や職業による制限が少ないのが特徴です。また、組合員の経済的損失を補填するための制度であり、給付金は見舞金的な性格を持つことが多いです。つまり、保険に比べて給付金の金額は少ないです。一方、一般的な保険は共済に比べて給付金の額を大きく設定することができます。保険は契約者保護のための法律が整備されており、より厳格な規制の下で運営されています。

5. 保険金の支払い条件と約款の重要性

共済も保険も、給付金や保険金の支払いは約款に基づいて判定されます。最近では「払い渋り」や「不払い」といった言葉を耳にすることがありますが、保険会社には顧問弁護士がついており、常に法的な解釈のもと精緻な根拠に基づいた判断が行われています。現在はネットで約款を事前に確認できるため、自分でしっかりと確認する習慣をつけることが大切です。しかし、約款は専門用語が多くわかりづらいこともあります。そのため、保険のプロやファイナンシャルプランナー(FP)に相談し、納得してから加入することが重要です。通販やネットで簡単に加入できる商品では、実は給付金請求時にもめるといケースがよくあります。それは悪意がなかったとしても告知義務違反に抵触していたというケースに該当することによります。

6. 他の保険との比較

共済だけでなく、他の保険商品とも比較することをお勧めします。共済は短期的には割安に感じるかもしれませんが、長期的に見た場合のコストや保障内容を考慮する必要があります。特に、年齢が上がるほど病気やケガのリスクは高くなるにもかかわらず、一般的な共済は保障が少なくなっていきます。民間の保険会社が提供する保険商品は、保障内容が充実している場合が多く、割り戻しがない代わりに安定した保障を提供しています。自分にとって最適な選択をするために、複数の選択肢を検討しましょう。

まとめ

共済は魅力的な割り戻しがある一方で、必要な保障を軽視するリスクがあります。加入前にしっかりと自分のニーズを見極め、保障内容や保険金の支払い条件を確認することが重要です。特に、保険料だけでなく保障内容の充実度を重視し、長期的な視点での見直しや他の保険との比較も忘れずに行い、安心できる保障を手に入れましょう。

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