有楽町「鳥八」で出会った特製やわらかチキンカツ ~心に残る一皿~

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土曜日の夕方、夫が予約してくれた有楽町ガード下の焼き鳥・鳥料理専門店「鳥八」を訪れました。 夫は以前、知人とこの店に二度来たことがあり、そのたびに「本当においしかった」と話していました。いつか私にも食べさせたいと、今回は早めに予約を取ってくれたのです。

夫は食道楽で、私との外出の際はいつも事前に店を調べ、段取りよくエスコートしてくれます。これまでも一流ホテルのレストランや老舗の名店に連れて行ってくれました。どれも「美味しくて当たり前」と思える店ばかりです。けれど私は、安い店でも夫と一緒なら何でも美味しいと感じるタイプです。 だから、夫が「ここは本当に美味しいから」と言って予約してくれる店に向かうときは、いつも自然と気持ちが明るくなります。 どんな料理が出てくるのか、どんな時間になるのか――そんな静かなワクワクが心の中に広がっていくのです。 その感覚が、私にとっての“ちょっとした特別”なのだと思います。

鳥八は、夫いわく平日は予約でいっぱいになるほどの繁盛店だそうです。 けれど、この日の17時の店内は私たちだけで、19時までずっと貸し切りのような静けさが続きました。

普段は賑わっている店にも、こんなふうにぽっかりと時間が空くことがあるのでしょう。 その静けさが、むしろ店を続けていく大変さをそっと想像させてくれました。 私は調理師免許を持っていて、短期間ではありますが 飲食店を経営していた経験があります。 だからこそ、このインフレの時代に食材を仕入れ、スタッフを確保し、店を維持していくことがどれほど大変か、身にしみてわかります。 その背景を思うと、目の前に出てくる一皿一皿が、よりいっそう丁寧で、愛おしく感じられました。

名物の「特製やわらかチキンカツ」は、胸肉とは思えないほどふっくらやわらかく、噛むたびにじゅわっと旨みが広がります。 私は普段から料理をしますし、調理師としての知識もありますので、胸肉がここまで仕上がるには相当な技術が必要だとわかります。

ちなみに、鶏むね肉をやわらかくする方法として“ブライン液”という塩水に浸ける技法があります。塩と砂糖を溶かした水に肉を漬けておくと保水力が上がり、しっとり仕上がるというものです。

けれど、ブライン液に浸したくらいでは、絶対にこんなふうに“ふんわり”とは仕上がりません。 だからこそ、一口目で思わず目を見開くほど驚きました。 だし巻き卵はふわふわで、箸を入れた瞬間に湯気とともにやさしい香りが立ちのぼります。 焼き鳥も、他の一品料理も、どれも手間を惜しまない味でした。

高級店の「おいしくて当たり前」とは違う、 “想像を超えるおいしさに出会ったときの衝撃” が、そこにはありました。

夫が「本当に美味しいんだよ」と言っていた理由が、食べてみてよく伝わってきました。 そして、そんな店に私を連れてきてくれた夫の気持ちが、料理以上に胸にしみました。

こういう体験をすると、いつも思います。 お金の価値は、金額ではなく、どれだけ心が動いたかで決まるのだと。

FPとして日々相談を受けていると、 「節約しなきゃ」「外食は控えなきゃ」 と自分を縛ってしまう人が多いです。 もちろん、将来のための貯蓄や資産形成は大切です。 けれど、今日の自分を豊かにしてくれる体験まで削ってしまうと、人生はどこか味気なくなってしまいます。

鳥八の特製やわらかチキンカツのように、 想像を超える一皿に出会った瞬間、人は自然と元気になります。 明日も頑張ろうと思えるのです。 その気持ちは、数字では測れませんが、確かに“価値”があります。

だから私は、家計管理の中に 「ご褒美のための予算」 を入れることを勧めています。 無駄遣いとご褒美は違います。 心が満たされ、人生の質が上がるなら、それは立派な投資です。

隠れた名店との出会いは、まさにその象徴です。 おいしい料理は、ただ舌を喜ばせるだけでなく、 「お金は、幸せの瞬間を増やすために使うものです」 という当たり前のことを、そっと思い出させてくれます。

これからも、こうした小さな感動を見逃さずにいたいと思います。 そして、数字だけでは測れない“豊かさのポートフォリオ”を、少しずつ増やしていけたらと感じています。

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