今日(R8.4.15)の時事通信の記事「がんと判明、会社対応に不安募り『居場所なさそう』」を読み、胸が痛くなりました。 がん患者が安心して働ける社会ではないという現実は、あまりにも厳しいものです。 今や2人に1人ががんに罹患する時代。誰がいつ当事者になってもおかしくないのに、治療と仕事の両立はまだ“特別なこと”として扱われてしまっています。
私は乳がんと肺がんのサバイバーです。 特に乳がんが発覚したときは、転職してわずか3か月目でした。 会社には報告してもよかったのかもしれませんが、転職してまだ3か月目で、しかも役職を提示されていた立場では、とても言い出せる状況ではありませんでした。
診断結果は、初期とはいえ全摘を勧められるケースでした。 腫瘍の位置が悪く、再建をするならエキスパンダーを入れ、外来通院も必要になります。 スーツを着る仕事だった私は、治療を始めれば必ず職場にバレると分かっていました。 服装の変化、通院の頻度、体調の波──どれをとっても隠し通すのは難しいと感じていました。
そして何より不安だったのは、お金の問題です。
ちょうど同じ時期に離婚も経験し、収入は自分ひとりの肩に乗っていました。
そのため、治療費がどれほどかかるのかという不安はとても大きかったです。
いろいろ考えた末に 自由診療の免疫療法を選びましたが、それは自由診療に対応したがん保険に加入していたからこそ、その選択をためらわずに済んだとも言えます。治療費の心配を抱えずに済んだことは、精神的にも大きな支えになったことは間違いありません。
月1回の通院で、免疫療法と放射線・抗がん剤を併用し、1年で緩解に至りました。
ただし、治療がうまくいかず働けなくなったらどうしよう── その不安は常にありました。
収入保障がわりに加入していたがん保険は、放射線や抗がん剤治療を受けた月に20万円の給付が出るものでしたが、保険診療が対象だったため、この治療では給付を受けられませんでした。 結果的に、土日の通院だけで済んだため仕事を休まずに済み、収入減になることはなかったのですが、「働けなくなる」という恐怖は生活に直結します。
だからこそ、私は強く思います。
がん保険は、医療費の補填だけでなく“収入の保障”をどう確保するかもしっかり考慮して選んでほしいのです。
治療と仕事の両立は、制度だけでは守れません。 現実の生活を守るのは、結局のところ「自分の選択」と「備え」だと痛感しています。
そして、がんになっても働き続けられる社会であるためには、 個人の努力だけに頼らない仕組みづくりと理解が必要だと感じています。
私の経験が、誰かが備えを考えるきっかけになれば嬉しいです。 そして、がんと共に生きる人が、安心して働ける社会に少しでも近づくことを願っています。

コメント