夏休みや冬休みなどの学校のお休み期間には祖父母を訪問する予定の方も多いことでしょう。
でも、孫には甘いおじいちゃんとおばあちゃん。
おこづかいは好きなだけもらっていいのかしら?
他にも、臨時で手にするおこづかいは結構あります。
そんな時はどうすればいいのでしょうか?
祖父母の気持ちを立てることも大切
子育て中、私の実家は車で1時間前後のところにありましたが、それでも年に会うのは年に1~2度程度でした。子どもを連れて夏休みに泊りがけで訪れると、着いたとたんにショッピングモールやおもちゃ屋に直行です。お子様ランチにアイスクリーム、スーパーではお菓子を買ってもらい、最後におもちゃ…というのがお決まりのコースでした。私はそれを見て「普段はそんなことをしていないから甘やかさないで」と、感謝しつつもイライラしていたものです。特に、定額制のおこづかい制度を導入してからはそのことを説明して「何も買わないでね」とはっきり伝えていました。
子どものおこづかいは無駄遣いのためのお金でないこと。
毎月定額でわたすおこづかいから欲しいもの以外に必要なモノも子ども自身に買わせて、自分でやりくりする習慣をつけさせることが重要であること。
コラム「おこづかいの与え方」でお伝えした通り、この「毎月定額」という約束が大切なポイントになります。ですので「定額制度のおこづかいで、子どもが自分を律する力をつける練習をしている」ということを祖父母はきちんと理解してくれていました。しかし、あるとき気づいたのです。祖父母の顔に、ふっとよぎった寂しそうな表情に…。
孫におねだりされて、なんだかんだと言いながらもいろいろと買い与えているときは、本当に幸せそう。めったに会えない孫たちの訪問がうれしくて仕方ないんですよね。そこで私は少し考えを改めました。普段は、子どもたちも子どもたちなりに一生懸命やりくりをしながら我慢をしています。ですから祖父母宅を訪問したときにもらうおこづかい(またはおもちゃなどを買ってもらうこと)は、子どもたちのボーナスと考えることにしたのです。その代わり、「いくらでも」「なんでもいいよ」ではなく、必ず最初に金額の上限を提示してもらい、1か月のおこづかいの2倍位程度までに抑えてもらうようにしました。こうすることで祖父母の気持ちを立てることもできますし、子どもたちにとってもこの時だけは好きに買い物ができるという息抜きになるようにしたのです。
子どもにとっての臨時収入 ~お誕生日・クリスマス・お年玉~
このように、年に数回しか会えない祖父母を訪問しときなどにもらうおこづかいは、子どもたちのボーナスとして自由に使っていいと思いますが、それ以外の「お年玉」や、入学・卒業時の「お祝い金」などは、臨時収入として貯金させましょう。臨時収入とは、もともと「ない」はずのもの。もらわなかったつもりで貯金をする習慣を身につけさせることが大切です。ですから、同じ「祖父母からのおこづかい」でも、会う頻度が高くいつももらうような場合には、100円程度の少額であってもまずはすべて貯金させます。
そのほか、現金以外のプレゼントも子どもたちとっては臨時収入と同じです。「お誕生日だから」と気を許して欲しがるものを言われるままに買い与えてしまっては、その金額を自由に使わせているのと同じことになります。要はプレゼントをする場合にも金額を決めることが大切ということ。小さいころは、人形やキャラクターグッズで喜んでいても、大きくなるにつれて値の張るものを欲しがるようになります。そういう場合、親が出す金額よりも高いものが欲しいのなら、自分の貯金から不足分を追加して買うようにさせるとよいでしょう。「買ってもらえるのだから高価なものを」という意識が働いてしまうと、本当にそれが欲しいのかどうかがわからなくなることがあります。でも、自分の貯金からもいくらか負担しなければ買えないとなれば、本当に欲しいかどうかを冷静に考えるようになるのです。
1.誕生日プレゼント
私は当時、親からのプレゼントの上限を5,000円と決めていました。
定額のおこづかい制度を導入した当初、長女が3万円もする品物を欲しがったことがあります。結局、買うことをあきらめたのですが、それは差額の2万5千円を自分で負担しなくてはならなかったから。それがあると友達同士で簡単に通信ができるというようなもの(携帯ではない)をCMをみて欲しくなったようですが、実際にそれを持っている友達はいませんでした。それだけの金額を自分で支払ってまで買うものではないと気づいたのでしょう。その代わり、新しい自転車を、自分で足りない分を負担して購入しました。それは今の自分に必要なモノであり本当に欲しかったからだと思います。
自分のお金で高額な商品を買うときは誰でも慎重になります。子どもも同じように自分のおこづかいの一部を充当することで、慎重な判断ができるようになり購入後も大切に扱うようになります。
2.クリスマスプレゼント
これも誕生日プレゼントと同じく一人5,000円にしていました。不満が出たときは「世界中には大勢の子どもがいるのだからサンタさんも大変なのよ」と説明してしていたものです。
子どもにとっては「クリスマス=プレゼントを交換する日」といったイメージがあるようですが、本来はキリストの誕生を祝う日です。もともと、この日のプレゼントの習慣は、3人の賢者が東方から遠路はるばる苦難を超えてお祝いの品を捧げたことに由来します。ですから「今月はマンガを我慢して、そのお金でプレゼントを買う」というように、自分が何かを我慢して(犠牲を払って)、その分を誰かのための贈り物にするという気持ちが大切なのです。難しく考える必要はありませんが、モノがありふれた現代だからこそ単なるお祭りとして楽しむだけでなく、子どもたちにその意味を伝え考えさせるいいチャンスかもしれませんね。
友達同士や習い事の教室で催されるクリスマス会でプレゼント交換があれば、子ども自身のおこづかいから、できる範囲で準備させるようにしましょう。
家計にも生かせる「つもり貯金」
子どもだけでなく「臨時収入は貯金する」という習慣を家計でも心がけると、意外とお金が貯まるものです。例えば「つもり貯金」。これは「買おうと思ったけれど買わなかった」金額分を貯金していくというもの。しかし実際のところ、これはとても難しいことです。私も〇〇を欲しいと思いながら買わないときは「Aを買うのではなくBを買おう」になってしまっていることが多いように思います。あるいは「今はやりくりが厳しいから今度にしよう」というようにそもそも家計収支の点から断念ということも大いにありますから、洋服を1着買うのをあきらめたからと言って、その代金を(買った)つもり貯金にすることはなかなかできません。
しかし同じ「つもり貯金」でも、「もらわなかったつもり貯金」ならもっと簡単に実践できます。例えば、スーパーで500円分割引などの特典を使って買い物をしたときは500円を貯金します。リサイクルショップで不要なものを換金したときもお財布に入れずに貯金。5,000円分の金券をもらったら5,000円を貯金するのです。もらった金券で買い物をすれば家計で使う金額は変わりませんよね。この方がちょっと楽だと思いませんか?私は「買ったつもり貯金」から「もらわなかったつもり貯金」に変えて、年に2~3万、多い年で5万以上貯まったこともあります。
この「つもり貯金」、現金ではなく投資にするともっといいですね。今や100円から投資信託は買えます。投資の基本は余剰資金ですから、最初からなかったはずの臨時収入をもらわなかったつもり貯金として投資で運用するのは、投資を始めるきっかけとしても最適です。ポイント運用も考え方は同じですよ。
「あぶく銭は身につかない」と言いますが臨時収入はまさにこの「あぶく銭」。そのまま使っていては支出が増えるだけでお金は残りません。つまり「身につかない」ということです。毎月一定額でやりくりをし、それ以外の臨時収入は使えるお金と考えずに貯金(または投資)する。これを習慣化できれば自然と貯蓄体質になれるのです。これに、子どもと一緒なら「つもり貯金」も案外続けられるものですよ。
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