新社会人がお金の優先順位を考えるとき、まず意識したいのは「会社の制度を最大限に活用すること」です。特に大手企業に入社した人ほど、この差が将来の資産形成に大きく影響します。
最優先で取り組むべきは 企業型確定拠出年金(企業型DC) です。会社が掛金を負担してくれるうえ、運用益が非課税という強力な制度です。もし マッチング拠出 が認められているなら、可能な範囲で さらに自分で上乗せ するのが合理的。税制メリットが大きく、長期で見れば確実に効いてきます。
次に検討したいのが 持株会。大手企業では奨励金が付くことが多く、これは実質的に“会社からの上乗せ支給”。株価変動リスクはありますが、少額からコツコツ積み立てるならリスクは抑えやすく、長期的にはメリットが大きい制度です。
ただし、これらはすぐに使えない“拘束されるお金”。そこで生活の安定のために 一般財形貯蓄 を流動資金の積み立てとして活用するとバランスが取れます。利率は確かに高くありませんが、まずは 生活費6ヶ月分の流動性資金を確保することが重要です。急な病気、転職期間、家電の故障、冠婚葬祭など、予期せぬ出費は必ず起こります。6ヶ月分の備えがあれば、収入が一時的に途切れても生活を立て直す時間を確保でき、精神的な余裕も生まれます。
さらに一般財形は払い出しに数日かかるため、衝動的に使ってしまうのを防ぐ“ワンクッション”としても機能します。今どき古いと言うなかれ!給与天引きこそ、最も確実に貯蓄できる仕組みなのです。
また、大企業の中には、一般財形を利用して教育費・自己啓発・育児・介護などの目的で払い出す際に、「財形給付金」や「財形基金制度」といった独自の福利厚生を設けている企業も存在します。これは財形残高や利用目的に応じて企業が一時金を支給する制度で、導入企業では大きなメリットになります。
そして、会社制度を活用したうえで、可能であれば新NISAも併用したいところです。少額でもよいので、早くからつみたて投資を始めることが大切。投資には必ず10〜20年単位の波がありますが、若いうちから始めれば暴落も時間が吸収してくれます。長期・積立・分散という王道を踏めば、資産形成のスピードは確実に変わります。詳細はまた別の機会にしっかり説明するとして、ここでは「若いほど積極的運用がしやすい」という点だけ押さえておいてください。
一方、会社が勧めてくる団体総合保険や医療保険は“二の次”。もちろん必要な人には価値がありますが、まずは会社制度と長期投資で資産形成の土台を固めるほうがリターンが大きい。保険はその後、必要性を冷静に判断してからで十分です。
この優先順位を意識するだけで、20代からの資産形成は大きく変わります。まずは会社制度を味方につけ、未来の自分のために着実な一歩を踏み出してほしいと思います。

コメント